インフォメーション 〜time now〜


 4月のtime nowを担当します、リハビリテーション部の浅倉です。
 2月末から約1ヶ月悩まされたスギ花粉もやっと過ぎ去り、晴れた日には、マスクを外し屋外で過ごすことに幸せを感じている今日この頃です。

 1年が経つのはあっという間で、また新しい年度がスタートしました。入学や入職を迎えたみなさんはもちろんのこと、新しい仲間を迎え入れる関係者も良い緊張感の中、新年度を迎えているのではないでしょうか。当法人でも、21名の新入社員を迎えました。

 突然ですが、みなさんは『重層的支援体制整備事業』という言葉を聞いたことはあるでしょうか?障がい児・者、子ども子育て、高齢者といった各世代、生活困窮や不登校、引きこもりなど様々なケースに、①地域とつなぐ参加支援、②専門職とつなぐ相談支援、③人と人をつなぎ合わせていく地域づくりに向けた支援を3本の柱として、複雑化・複合化する支援ニーズに対し、包括的支援を一体的に実施する事業のことを言います。
 日本の福祉制度・政策は対象者の属性やリスクごとに制度を設け、現金や現物給付、専門的支援体制の構築を進めることで、その内容は、質量ともに充実してきました。ただ、社会的孤立をはじめとして生きる上で困難や生きづらさを抱えている方が、既存の制度の対象となりにくいケースや、個人・世帯が複数の生活上の課題を抱えているケースも増えているのが事実です。日本の社会的背景として、核家族化・単身化・高齢化・少子化という家族構造の変化、消費社会化・個人化という産業構造の変化に伴い、以前は家族(血縁)や地域(地縁)、会社(社縁)などの共同体が機能しない時代に入ったことも課題が表面化した要因と考えられています。

 今、参加支援、地域づくりに向けた支援として『こども食堂』が注目されています。2023年には全国の『こども食堂』は9,132カ所にのぼり、これは全国の公立中学校の数(9296校)とほぼ同数で、全国こども食堂支援センターが調査を始めた2018年の2,286カ所と比べて約4倍なりました。実態調査が始まった2016年から比べると7年間で約30倍です。そして、この「こども食堂」は、『子ども専用』から、利用参加者に条件はなく、多世代交流が主たる目的の『地域の居場所づくり』へと変革しています。これにより子どもから高齢者まで、年齢、属性、所得関係なく利用でき、結果として、高齢者の活躍場に提供と見守り支援、子育て支援・虐待防止、貧困の連鎖を断ち切る機会となり、地域の新たなセーフティネット機能が整うとよいと思います。

 当法人は、子どもから高齢者まで、身体や生活に困りを抱えた方々のあらゆるニーズや人生ステージに応えられるように医療・介護・福祉面のサポートをさせていただいています。ですから、地域での生活をサポートできることに医療機関だけでは限りがあることも痛感してきました。だからこそ、積極的に地域に出て、地域のみなさんと一緒に対象者を支えていけるネットワークの構築が大切だと感じています。今年度も地域の支援者の方々とのつながりを大切にし、対象者の方々を地域につなぐお手伝いをしていきたいと思います。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。




令和6年4月タイムナウ 統括部長 浅倉恵子