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『人を育てる』

TEXT:副院長  岩根 美紀

 初夏の候、車の運転をしていても新緑がとても美しく清々しい気持ちになります。
 早速ですが近況報告をさせて頂きます。看護基準が、4月1日より10:1になりました。又、問題点の基準を明確にし、科学的で系統的な看護展開を実践するために「NANDA」を導入、更にカンファレンスなどで、看護師やコメディカルと意見交換を行い、当院独自のより良い看護の提供を可能とし、スタッフ育成も兼ね備えたプリセプターアシストケアリングの看護体制を整えています。

 今回は、人材育成について当院での取り組みをご紹介したいと思います。学会(発表も含む)・研修・実習・視察への参加は、基本的には本人の意思が最優先であることを文書で公示しています。但し、マンパワーや公平性への配慮等により、希望が全て通る訳ではないことも理解できるようにしています。この文書での通達により、参加への公平性と透明性が確保でき、次元の低い問題解決にも繋がりました。カンファレンスと勉強会についても、多くのスタッフが参加できるように勤務時間内に開催(月曜日:医師、コメディカルスタッフ、業者13時~13時30分、火曜日・金曜日:病棟カンファレンス12時30分~13時)ライフワークバランスの問題もそうですが、時間外の勉強会になると事情があり参加できないスタッフが、様々なジレンマを抱くことが判明しましたので、これらの問題解決のためでもあります。光心会全体の会議や勉強会はどうしても時間外になりますが、年に2回なのでスタッフに協力をお願いしています。

 看護師の育成は、専門・認定看護師資格取得のためのバックアップ体制を整えています。臨床現場では、今年より新たな指導カリキュラムを作成、経験年数10年以上(管理職者以外)のベテラン看護師が担当、中堅・新人看護師をリードしています。皆で協力しあいながら意見交換をし、模索検討している姿を見るととても頼もしく思えます。人を育てることの大切さ、組織の中での個人の立場や動き方を知ることができ「自分も育てられている」「人に教えるには自分にも知識や自信が必要」という意見や感想が多かったです。このような経験の中から、今後の糧や課題を見つけ、スタッフ間で切磋琢磨してくれて本当に良かったと胸を撫で下ろしています。以前、私自身「人を育てるということは、共に育つことで、とても難儀で大義なことである」と記したことがあります(笑)。今年の病棟看護部の目標は、「広い知識と技術の習得」「人として、看護師としての自立・自律」ですので、看護診断・看護体制・教育システム・マニュアル整備などを継続的に、確実に行えるように整えています。今は、限られたスタッフが色々な事に携わるのではなく、殆どのスタッフが携われる能力を身につけ、前向きな気持ちでいることが何よりであると思います。看護師の自律(自立)に関しては、看護教育の在り方から、ともすれば現代社会の風潮など多岐に渡る問題や課題は山積みですが、当院でできることから、コツコツ皆で力を合わせてやっていきます。当院のスタッフは耳にタコができる程聞かされていますが、「全ては、人としての質」からはじまるということを忘れてはならないことを肝に銘じ、これからも人材育成に携わっていきたいです。

P.S. 私事ですが、息子が県外に進学して1ヶ月・・・淋しい気持ちを抑え、子離れです。せめてもの救いは、私と同じ医療(理学療法士)の道を選んでくれたことです(涙)。