研修会・講演会案内

第11回大分県高次脳機能障害リハビリテーション講習会 報告

平成22年8月29日(日)別府市のビーコンプラザ3階国際会議場において、第11回大分県高次脳機能障害リハビリテーション講習会を開催しました。当日は、227名の参加者が集まり当初1階席のみ利用を考えていましたが、2階席を開放するほど盛況でした。

 今回は「子どもの脳損傷と高次脳機能障害」と題して、神奈川リハビリテーションセンター小児科部長 栗原まな先生、「社会的行動障害を中心とした高次脳機能障害者への対応」
と題して、岐阜医療科学大学保健科学看護科教授 阿部順子先生に、それぞれご講演を頂きました。

 小児を専門とされている栗原先生には、成人の高次脳機能障害患者との違いや基本的な小児の高次脳機能障害の基本的な捉え方から実践的なリハビリテーション内容までお話して頂きました。
小児の高次脳機能障害はまだまだ認知度が低い状態であり、今後、家族はもちろん、地域住民や学校、また、行政や教育委員会などにも訴えかけていく必要があるということを認識しました。先生が今まで努力されてきた経緯をお聞きすると、まずは、社会に高次脳機能障害を知ってもらうために私たち医療者側の啓発が重要であると感じました。

 阿部先生には、在宅支援ニーズ調査を中心に社会的行動障害を有する方の訓練や生活支援の方法をお話して頂きました。身体障害のように目に見えて障害がわからない分、周りからの理解も得られにくく、社会になかなか出ていけない難しさを改めて実感しました。
そのような場合におけるアプローチ方法として、ジョブコーチを活用し、本人支援・事業主支援・家族支援を実施し、就労へつなげていけるような手段を学びました。
今後、家族や地域の関係スタッフ、職場との連携を図りながら医療者側としてのフォローアップができるよう取り組んでいきたいと思いました。 

 また、講演終了後、フロアから質問や意見が活発にあり、お二人の先生から明確な解答や具体的なアドバイスを頂きました。
「講演を聴くだけでなく、活発な意見交換の場」として、当事者や家族・地域の方々のお役に立てるよう今後も講演の企画・運営を行っていきたいと思います。


表1 参加者区分
  人数
医療・福祉関係者 184名
家族会・支援団体 29名
学生 1名
報道 0名
その他 13名
227名

阿部先生(左)と栗原先生

講習会の様子

質問する参加者