インフォメーション 〜time now〜

「夕暮れが早い」と感じたのが早いか、半袖だと「寒い」と感じ長袖を着るようになったのが早いかというスピードで秋ではなく冬の訪れを実感する今日この頃です。急に寒くなりましたので上着などで体温調整をして風邪を引かないように体調管理してください。

 当院には、様々な疾患や障害のために余儀なく入院生活を送られている患者さんがいます。この患者さん達の中に、疾患・合併症コントロールやリハビリは上手くいっているのに今一つスッキリしない女性の患者さんがいらっしゃいます。この原因の一つに、更年期障害があります。更年期障害は、閉経を挟んだ10年前後に症状が出やすいと言われています(日本女性の平均的閉経は、50歳くらいです)。更年期障害の症状は、女性の60~70%に出現するそうです。更年期障害の原因は、ホルモンバランスの異常です。卵胞刺激ホルモンが増加し、エストロゲンが減少してしまうのです。症状は多岐に渡り、その程度も人それぞれです。「顔がほてる」「汗をかきやすい」「腰や手足が冷えやすい」「息切れ、動悸がする」「寝つきが悪い、眠りが浅い」「怒りやすく、イライラする」「くよくよしたり、憂鬱になる」「頭痛、目まい、吐き気がする」「疲れやすい」「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」などが更年期障害の代表的な症状に挙げられます。たかが更年期障害、されど更年期障害です。日常生活や人間関係、仕事に何らかの支障があれば産婦人科を受診してホルモン補充療法を受けるのがベストでしょう。このホルモン補充療法にも副作用(不正出血・吐き気・下腹部の張り)はありますが、症状が日常生活に支障をきたすくらいならお勧めします。以前は、乳がんの発生リスクが高いと言われていましたが、因果関係は低いと証明されましたので、きちんと医療機関を受診して適切な治療を安心して受けて頂きたいです。状態や症状によっては、漢方薬やうつ剤が投与される場合もあります。それから、更年期障害には、「子供の独立」「親の介護」「職場・家庭環境」「ストレス」も影響しますので頭に入れておいてください。女性の皆さん、更年期障害をコントロールして心身を整え、動脈硬化や骨粗鬆症などを予防して素敵な老年期を迎えましょう。アンチエイジング!!

平成26年9月 諏訪の杜病院 副院長 岩根美紀