インフォメーション 〜time now〜

 とうとう大分も梅雨に突入しました。今回のタイムナウは、話題がありすぎて何に的を絞るか随分悩みました。サッカーW杯に中国戦闘機の自衛隊機への接近、成長戦略の法人税減税、それに尊厳死法案(終末期医療における患者の意思を尊重する法案)、医師による透析患者殺人未遂事件…。絞ることが出来なかったので可能な限り触れていくことにしました。

 ブラジルで開催されているサッカーW杯、日本代表の初戦は残念ながら敗戦しましたね。開催前は、W杯に反対するデモやスタジアムなどの工事の遅れ、地下鉄職員のストライキなど問題が山積していて心配しましたが、無事に開催されて何よりです。私もブラジルに渡航したことがありますが、治安が良い国とは言い難い状況です。サポーターや報道関係者の方々は、できれば複数人で外出する、夜の外出を避ける、トラブルに巻き込まれたら、全てを無抵抗で投げ出すことが肝要です。その為にも、貴重品は小分けしてダミー財布の準備をしておいて下さい。私は、必ずレンタルビデオの会員カードなどと少額の金銭を入れダミー財布を準備しています。そして、デング熱やサソリにも注意が必要です。

 やっぱり、最近の中国の言動はおかしいですよね。他の国にチョッカイ出すくらいなら、自国のテロ対策などに真摯に向き合うなどした方がいいと思います。元々、歴史的に中国は万里の長城以南が領土だったのでウイグル族やチベット族が民族自決の原則に沿って、テロを起こし、チベットの僧侶が抗議の焼身自殺をしてまで反中国感情を世界に訴えているのですから。これには、何物にも抑えつけられない、抑えることのできないダイナミズムを感じます。しかし、事情がどうであれテロは容認できません。

 次は、法人税についてですが、皆さんはご存知でしたか?法人は、35%ほど課されますが、あのトヨタが2008年から税金を納めていなかったのです。更に、大手の金融機関も!!私は、全く知りませんでした。大手企業への優遇措置であって決して違法ではないのですが納得いきませんよね。本当に無知って怖いと思いましたし、損すると思いました。学びます。

 尊厳死法案に関しては賛否両論あります。本当に難しい問題です。何故なら、私が医療に携わった30年間に「もう、どうなってもいい」「死にたい」と訴える判断能力のある患者の中でたった一人だけが、透析を自己中断しましたがそれ以外にいないからです。思うところもありますが、結局は「本人が本当はどうしたいか」「家族がどうしてあげたいか」なのだと思いますが、それでも普通の家族関係であれば躊躇しますよね。子供としては、どんな状態でも頑張って一日でも長く生きて欲しいと願う反面、親に辛い思いをさせているのではないかと悩みます。親は、子供たちに迷惑をかけてしまう事に苦悶します。個々の価値観が違うように、死生観も多岐に渡るので正しい答えなんかないのかも…。

 殺人未遂の医師の件ですが、同じ医療職という立場からしても信じられません。これも個人のスタンスや価値観、キャパによって全然違うからです。概ね、この様な医療従事者は、全てを他人のせい、環境のせいにします。普通の医療者であれば、患者を犠牲にして自己主張など決してしません。精神疾患やそれに近い状態を疑います。どんな理由や状況にあっても、医療従事者として自分勝手な言い訳であり、あってはならない行為です。

平成26年6月 諏訪の杜病院 副院長 岩根美紀