インフォメーション 〜time now〜

今年の台風も、甚大な被害をもたらしましたね。自然災害ですが、日頃の心掛けや用心、早期対応をする事で回避できる被害もあると思いますので皆さんも十分に注意して下さい。 ねじれ国会もデフレをゴルフのバンカーに例え、笑顔で解消しましたね。今後の安部政権(自民党)の方向性をTPPの問題を含め、医療・福祉に携わる私達には他人事ではないので今後もしっかりみていきたいと思います。

 先月のタイムナウで透析患者の健康寿命延伸について書かせて頂いたのですが、私の説明が不足しており誤解を招いているようなので説明させて頂きます。私は、無床診療所や環境の整っていない病医院を否定しているのではありません。救急医療に限らず地域で連携して自院にないものを各施設や地域スタッフと補足する連携システムの構築があればいいと思っています。更に説明しますと、透析患者は社会保障などで恵まれているように思われますが、リハビリテーション(以下リハ)に関しては、診療報酬に問題がありリハの効果が実証され普及しているこの時代に於いても十分とは言い難い状況にあります。悲しいかな診療報酬が見合わなければ、病医院も動けませんし動きません…そこが問題なのです。それらの問題を解決する一つが透析施設基準の設置なのです。ご理解下さい。

 まだまだ、透析患者さんについて自己管理や日常生活の留意点などお伝えしなければならない事は沢山ありますし「透析中断」についてもお話したいと思っていたのですが、この問題は、現在ガイドラインがないことや倫理的、人道的さらには、法的なものも絡み非常に複雑なのでもう少し時間を頂いてから皆さんと一緒に考えていきたいです。

 ここからは、秋ですので読書のお話をさせて頂きます。この秋、学生の頃に読んだ本を読み返しています。その中の一つにアントワーヌ・ド・サンテグジュペリの「星の王子様」があります。本の魅力は、読み返す度に新鮮な事です。昔は理解できなかった登場人物の存在価値や気持ちが理解できるようになり、文章の受け止め方もその度に違っていて自分でもビックリします。アントワーヌ・ド・サンテグジュペリは、自然に率直に向き合い、働きかけ、その過程を通じて得た心理の断片を読者に人にとって大切なものを問いかけ、伝えているように思えてきました。以前は、この本が何故これだけ多くの人に愛されるのか理解できませんでしたが、今は理解出来るようになりました。本は、様々な事を私に語りかけ教えてくれます。そして、現実逃避できるしばしの空間を与えてくれます。やはり、本を読むって人生に於いて貴重で必要不可欠なことですね。

皆さんご存じの様に、当院はリハに積極的に取り組んでいます。常々、院長が「リハは何が正しくて何が不正解ということはない。結果、患者さんが少しでも良くなればいい」とスタッフに教えてくれています。そんな院長がスタッフや学生教育に引用する言葉が『 What is essential is invisible to the eye !! 』です。「星の王子様」にある一節です。翻訳する方によって多少の違いはあると思いますが、機会があれば「星の王子様」も読んでみて下さい。

 この作品は、宮沢先生がお亡くなりになった後に遺品から見つかったメモです。作品には、実在のモデル(斉藤宗次郎氏)がいてその方の人生を知るとより深い感銘を受けます。

 この作品も、その時々に私の感じ方や受取り方は違います。人々を愛し続けたモデルのような生き方をしたいと思う時もあれば、励まされることもあるし戒められる時もあります。しかし、残念なのは私の不徳の致すところで、このように立派な人にほど遠いところに自分が居るということです。私は賢くないので痛い目に合って初めて学ぶと言うか…そこから初めて、色んなことを様々な角度や立場から考えて物事の本質を知る努力をするタイプで、人の何倍も気付きや成長が緩やかなのです。これからも、もっともっと本を読み、経験を積み知識や見識を広められるように頑張りま~すっ!!

 ところで皆さんは、各々価値観が違っても、普遍的な価値って存在すると思いませんか?私は、存在すると思います。人間の情愛もその一つではないでしょうか(そう信じたいです…)?思いの程度や関わり方は違っても、人間独特の情愛って人種や宗教をも越えて存在しますよね…。それと、リアルタイムな話題を入れるなら、万国共通ではないものの日本には普遍的な社会生活の規範が存在しますよね…それに伴う風潮も…「みの もんたさん」の会見をテレビで観ていて、それを痛感しました。でも、そういう時こそ「みの もんたさん!!」お酒に逃げてはいけません!!「星の王子様」の酒飲みと同じです。お酒は、ストレス解消や楽しむために飲むものです。「星の王子様」の酒飲みみたいに「忘れるため」に飲んではいけません。偉そうなことを書いていますが、お酒が好きで破天荒な私は、突飛なく爆発してしまい周囲を驚かせたり、困らせたり怒らせたりもしています。そんな時に私の心を穏やかにして、冷静な判断ができるようにする方法の一つが本を読むことです…騙されたと思って試して下さい。

 本を読んでも、読む人の価値観や感性で意味あるものになったりならなかったりします。それでも、本を読むことや人の語りを聴くことの大切さを知り、そこから学ぶことを大切にできる人間になりたいと思っています…ゆっくりですが…。

私の長文・駄文に御付き合い下さり有難う御座いました。

10月 岩根 美紀