インフォメーション 〜time now〜


 今回、Time nowを担当させて頂きます諏訪の杜病院、外来看護師の神田です。

 WHOが、新型コロナウイルス感染症をパンデミックと宣言してから1年が過ぎる頃、ようやく待望のワクチン接種が始まり、光が差し込んだように感じます。しかし、気を緩める事なく、今後も感染予防の為の対策と“新しい生活様式”が長期的に必要だと思います。

 コロナ禍ではありますが、感染対策を徹底した環境下で娘の保育園で発表会が開催されました。娘は生後11ヶ月からこの保育園に通い始めたのですが、運動会や発表会、保育参観などの親が参加する行事で楽しそうに歌ったり、踊ったり、元気に走り回ったりする姿を見た事がなく、行事の度にただ泣くばかりの娘を見て「園での生活は楽しいのか?」と心配していました。他の子と比べてはいけないと分かってはいても、周りの親御さんが我が子の成長に感動の涙を流す中、私は「また今回も…」と悔し涙を流し、行事の度に「何で出来ないの?」と娘を責めてばかりいました。そんな娘の4回目の発表会。見事!!ついに、笑顔で可愛く踊る娘を見ることができたのです。4年目にしてようやく感動の涙を流しました。「今年はきっと出来る!」と信じてダンス中のウェーブの先頭という大役を娘に任せてくれた先生。発表会後は涙を流してギュッと抱きしめてくれる先生には本当に感謝の気持ちで一杯でした。今まで出来なかった事を自分のペースで乗り越えて行く娘の成長した姿を見ることができ、とても感慨深く忘れられない発表会となりました。

 話は変わりますが、娘と息子が公文を始めて半年が経ちました。ひらがなを全て覚え、長文も一人ですらすら読める娘。一方「いちごはあかい」の文章と絵を見て「いちごはおいしい」と、自分の気持ちばかりを伝え、なかなか字を覚えないマイペースな息子。この公文で、「行きたくない」と教室の前で突然二人が泣き出したのですが、私は理由も聞かないまま、「行きたくないなら行かなくていい」と、一方的に子供たちを怒って、そのまま帰宅しました。そして「どうしたいか2人で話し合っておいで」と突き放すと、2人は別の部屋に行きコソコソと話をした後、手を繋いで私の前に立って言いました。「宿題終わったから公文に行きたい」と。息子は宿題が終わっていない事が気になり泣き出したようです。いろいろ理解し始めた子供たち。分かりだしたからこそ、きちんと話を聞いて、気持ちを汲み取りながら対応するべきだったと反省しました。抱きしめてもらった思い出や、ママの笑顔ばかりが思い出されるような、そんな子育てが出来たらいいなと改めて思いました。毎日が慌ただしく、2人が産まれた時の気持ちをすっかり忘れかけていました。ゆっくりと子供と向き合う時間も少ないですが、仕事をしているからこそ、抱きしめてあげる時間を増やし、ゆっくり時間をかけて成長していく姿を見ていこうと思います。

 最後になりましたが、私は諏訪の杜病院に勤務して、今月で丸16年になります。子供と同じように患者さんや入居者さんとゆっくり向き合い、相手の気持ちを汲み取った対応が出来る、そんな看護師でいたいと思います。





令和3年3月 諏訪の杜病院 外来 神田 裕子