インフォメーション 〜time now〜

 今月の11日で東日本大震災から、一年が経ちました。私達は、被災地の復興や自然災害に対する備えを充分に考えていかなくてはいけません。被災地の方々から教示して頂いたことを決して忘れてはいけないと思うのです。
話はかわりますが、今月のtime now(事務長投稿)は「とてもおもしろかった」と皆さんからお声を頂戴しました。私も読んでいて笑みがこぼれましたもの…

 今回は年度末なので、離職について書きたいと思います。看護師不足が深刻な医療界にあって当院は、先生方やスタッフのお陰で今年度も常勤看護師の離職率は、1%未満でした。「すごいですね!」と看護学校の先生方や他院の看護師さんから言われます。一方で看護師育成に悩む病医院関係の方には「何故ですか?」と問われます。何故でしょう…?
開院から7、8年は看護師不足や看護の質で悩みました。でも、きちんとしたビジョンを持ち耐え忍びこの時期を超えると、逆に芯があり同じビジョンを持つスタッフ達が残り集まる結果となったのです。性格は十人十色ですが、基本的に看護師としてや自分の人生に対しての目標や希望を持ち集った仲間なので、低次元ないがみ合いもなくお互いがきちんと個人の意見を述べながら、理解し合い助けあっています。ですから、当院の看護スタッフは「うち(当院)は、人間関係はいいと思う!!」とよく言っています。
実際のアンケートでもやはりこれが「辞めない理由NO1」でした。看護知識とか技術の前に「人としての資質」や「人間関係」が最も重要であるって事ですよね。当院で一緒に働いてくれるスタッフには「看護師としても人としても育てる」というスタンスで関わっています。

 私は、良くも悪くも思った事をわりとすぐに口にしてしまいます。でもこれは、短所でもあり長所にもなっています。何故なら「本人に言えない事は、陰でも言わない」という過去の苦い経験から学んだ教訓を活かすようにしたからです。これにより、スタッフも良い事も悪い事も直接伝えてくれる私を信頼してくれていますし、多少きつい事を言われても大丈夫みたいです。しかも、「本人に言えない事は、陰でも言わない」は、いろんな場面で使っています。
…例えば、要領のいいスタッフもいれば悪いスタッフもいる現場で、時には、要領のいいスタッフが片方のスタッフの愚痴をこぼす、すると私から「本人に言えない事は、陰でも言わない」と言われます。これを何回か繰り返しているうちに、スタッフ同士でこの言葉を言い合っています。こういうことも日頃からですよね。

 最後に、勿論ですが看護師としての技術や知識の習得のためにも努力はしています。昔と違いきちんとした教育システムが構築され体系化されました。ここで多少受け身な表現をしたのは、スタッフ全員でこれらを考えて作ったからです。私は、なるべく自分達で考えて行動できるようにして自主性を伸ばすと同時に、責任とチャンスを与えるようにしています。
あとは、いろんな事を経験できるようにしていますし経験するように勧めています。学会発表や研修もそうですし、他院(大学病院等)へお願いして実習をさせ、自院や自分達の看護を振り返らせたりもします。とにかく、日々努力と工夫はしています!!あとは、有給消化させて充分に休ませます。スタッフからは『有給が自分は残り少ないので使わないで下さい!!』と言われるほど消化させます(笑)後は、ほぼ100%に近い状態で勤務希望をくみ取り勤務表を作成します。これが、ワークライフバランスに良い影響をもたらし更には、仕事への活力へと繋がっていると考えています。給料には多少の不満はあっても皆、自分の病院や仲間を一番に思ってくれているスタッフが多い事に感謝しています。

平成24年3月  岩根 美紀