インフォメーション 〜time now〜



 新型コロナウィルスで沈む心を、桜の花が軽くし潤してくれました。花見はできなくても、桜を見られるだけで春や平和な日々を感じることができ幸せな気持ちになりました。

 世界を席巻している新型コロナウィルスは、収束の方向にも進みません。都道府県の緊急事態宣言の効果と国民ひとり一人の責任ある行動に期待するしかありません。しかし、新型コロナウィルスが終焉を迎えたとしても、その後の私たちの生活にどの様な影を残すかを考えると頭が痛いですよね。職を失う方も大勢いるでしょう。休校による授業の遅れをどう取り戻すのか?スタグフレーションも考えられます。最悪、食料ナショナリズムが起きたら日本は、厳しい状況に陥ります。各国が「自国ファースト」を貫けば、新型コロナウィルスよりも脅威になります。いまこそ、人類が一つになって協力して新型コロナウィルスと対峙し戦わなければならない時です。それなのに、アメリカや中国、WHOの発言が現代社会の写し鏡のように思えてなりません。先述した私の懸念が現実味を帯びてきます。いったい何を守るために主張を繰り返しているのでしょうか?

 ところで、私はケニアに赴任をしていると思われているらしく、皆さんが安否確認の連絡をしてくださいます。ケニアは、大統領令で鎖国状態です。ケニアのモンバサで催涙弾などが使われた映像が世界に発信されたから、ケニアがパニックになっていると思われたからではないでしょうか? 新型コロナウィルスに関しては、少なくともケニアの方が今の日本よりは安全で、日常も保たれているようです。ただ、感染して重症化したら、医療崩壊以前に医療体制が不十分なケニアでの治療はほぼ不可能な事実は否めません。

 でも、新型コロナウィルスの流行で小さな幸せ探しが出来ました。「患者さんに感染させてはならない」「病院に持ち込んでは(新型コロナウィルス)いけない」と感染リスクの高くなる外出を自粛しています。家にいることの多くなった私は、家で小さな幸せを感じることが出来るようになりました。SNSなどでアーティストやスポーツ選手、芸能人の皆さんも、家での様々な過ごし方を提案していますよね。この自粛で私は、数種類のお茶をゆっくりと基本に忠実に煎れて、味わいながら飲んでいます。そして、トイレマットやバスマットをお気に入りのものに変えました。トイレマットは、色や柄が気に入って以前購入していたものです。使っていたトイレマットがまだ使えたので収納していましたが、思い切って交換したのです。すると、この英断(大袈裟ですが💦)のお陰で、トイレを使うたびに、一人でほくそ笑んでいます。更に、田舎や大分の叔母たちが毎週末差し入れしてくれた旬の料理やお気に入りのデザートも、普段なら「ラッキー」くらいの気持ちで食べていましたが、「幸せ」を感じながら有難く頂けました。今週末は、母から畑でとれた柑橘系の果物が送られてきました。何気ない「小さな幸せ気分」を繋げて、私はこの非日常を乗り越えています。

 最後に、感染予防をお願いします。不要不急の外出は避け、手洗いや手指消毒、マスクを装着して、ソーシャルディスタンスを守ってください。何らかの症状が出ても、パニックにならず、然るべき順序で医療機関を受診してください。平和な日常が早く戻りますように。



4月タイムナウ 岩根
Keyword:パンデミックと医療者