インフォメーション 〜time now〜



 今回、Time nowを担当させていただきます透析室看護師の稲場です。よろしくお願いいたします。

 実は、今からちょうど2年前の2018年4月のTime nowも担当させていただき、息子の小学校卒業と中学校入学、私自身の看護科通信課程の入学についてコメントさせていただきました。あれから2年という月日が流れ、この春、看護科通信課程を無事卒業することができました。

 入学当初の2年前の私は、「通信教育」という学びの手段を、とても軽く安易なものに捉えていました。「たまに学校に行って、あとは自分の好きな時に課題をやってだし、何とかなるだろう」という、「明日は明日の風が吹く」という本当に軽い気持ちでした。ところが、いざ学校が始まると、課題は全て手書きで、月に数回は福岡市内へ登校、授業前には事前課題があり、迫りくる宿題提出期限に追われる日々…のんびりしている暇などありませんでした。仕事と家事と、学生という3足のわらじを履いて過ごしてきたこの2年間は、自分に甘い私にとってとても辛い毎日でした。しかし、今になってこの2年間を振り返れば、大変だったことよりも、得たものの方が多いことに気づきました。同じ目標に向かって進む仲間たち。勤務変更や、課題に取り組めるようにサポートしてくれた職場やその仲間たち、そして何より、学ぶことの楽しさや学べることのありがたさを実感できました。准看護師免許を取得し、これまで日々の業務をこなしてきましたが、その処置の根拠や、看護理論、関係法規など改めて学ぶことができ、根拠に基づいた看護が実践できるようになりました。つらかった毎日も今では楽しい思い出です。

 ちなみに、今回受験した「第109回看護師国家試験」の合格率は89.2%(当校通信課程の合格率は84.4%)でした。昨年、校長先生より「あなたたちは令和初の看護師になるのです」というお言葉をいただいたことをつい昨日のことのように思い出します。そして、私はなんとかこの89.2%に入ることができ、令和初の看護師になることができました。試験前には、たくさんの人から、学業成就のお守りや、鉛筆、激励のメッセージなどをいただき、試験直後には「どうだった?」「試験終った?」とメールが届き、たくさんの人に見守られていたのだと、感謝しています。更に、嬉しいことに、今年2名の同僚が看護師免許取得を目指し、通信課程に入学しました。また、通信課程の入学資格である実務経験7年に満たない後輩は、「あと○年したら私も(通信課程に)行きます!」と言ってくれています。学ぶ手段は様々ですが、自分に合った方法で今の自分より一段上へ、ステップアップできれば良いと思います。これから何か始めたいと考えている人、今の自分を変えたいと考えている人、いくつになってもやる気があれば何だってできます。そして、学費等経済面で進学を躊躇している人、厚生労働省の指定講座であれば専門実践教育訓練給付金という制度があり、学費の70%が給付されます。ぜひ、こういったありがたい制度を利用してスキルアップにつなげていただけたらと思います。本来であれば、先月の3月11日に卒業式が執り行われる予定でしたが、新型コロナウィルスの影響で中止となってしまいました。ちょっとがっかりしましたが、当日、学校のホームページに、教員のみなさんの写真と「祝卒業」のお花を掲載していただきました。立派な卒業証書も送られてきました。2年間やり遂げたという自信を持ってこれから看護師として成長していけたらと思います。

 最後になりましたが、支えてくださった職場の皆様に感謝。学べる環境を整えてくれたことに感謝。そして何よりも。「いいよ、お母さん。一人で留守番するから(福岡に)泊まってきたら」「大丈夫。自分で起きてちゃんと学校に行くよ。」「試験がんばって」と一生懸命に応援してくれた息子に感謝です。



 2年前の入学式の朝、正門前の桜の木。とても清々しい気持ちになったことを覚えています。
拙い文章ですが最後まで読んでいただきありがとうございました。



4月タイムナウ  諏訪の杜病院 透析室看護師 稲場 留美