インフォメーション 〜time now〜

Time now 新年巻頭言



医療法人 光心会 理事長
諏訪の杜病院 院長 武居光雄



 明けましておめでとうございます。今年も無事に新しい年を迎える事が出来たのも皆様のお陰と深く感謝しています。私達は今までに、①内部障害(特に腎臓)のリハビリテーション、②高次脳機能障害のリハビリテーション、③発達障害のリハビリテーション、④開発途上国における医療援助等に力を入れて参りました。特に昨年は発達障害の子供たちの治療環境を改善するために新館を新築しました。発達障害という言葉は行政用語であり、一般の方には正確な意味がなかなか理解し難いと思います。このため、一部誤解されているように思います。発達障害の子供達はちょっと生きる事が下手なのですが素敵な子供達です。私達が日本の将来を背負って立つように発達障害の子供達を導かねばなりません。

 さて、今年の3月8日~10日に別府市国際コンベンションセンター(ビーコンプラザ)にて開催される『第9回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会』の大会長を仰せつかる運びとなりました。現在、日本で透析を受けている方は約33万人、予備軍は1,000万人以上に達します。入院されている患者さんの20%は腎臓機能障害に陥る可能性を負っていると言われています。最近の知見では、腎臓が他の臓器の要となって機能する事が判明してきており、腎保護を目指す包括的腎臓リハビリテーションがこれらの治療に大きな役割を果たす可能性が大きく期待されています。また、障害者であっても可能な限り仕事をする事で、社会参加し、生きがいを見つけ有意義に生きる重要性を更に普及させたいと考えています。このような一連の流れを理解できるようなプログラムを組みましたので、是非、3月には別府へお越し頂けますようにお願い致します。特別企画としてNHK生さだで有名な『さだまさし』さんにお越し頂きます。

 昨年、東京で開催されたTICAD(アフリカ開発会議)で安倍総理が日本の国策としてオールジャパンでのアフリカ進出を後押ししています。当然、この中には医療も含まれています。日本の国民皆保険制度を積極的にアフリカ各国へ導入しようとする試みです。私共のケニア国ナクル州のスラム街における巡回診療も6年目を迎え計60回以上実施し、5万人もの患者さんを診てきました。未だに貧困格差が激しく、全く医療の恩恵に与かれないケニア国民が多数存在します。課題は山積しています。また、ナイロビ市内に拠点となるメディカルセンターを設立して3年目を迎えます。ケニア国民のヘルスケアに少しでも貢献したいと考えています。それにつけても、日本人として生まれた事、それだけでどんなに幸せな事かとつくづく思い知らされます。

 本年も宜しくお願い致します。