インフォメーション 〜time now〜

 最近、日本も寒くなってきていましたね。ケニアは日中暑いですが、屋内や朝夕は私には少し寒いです。今年も残すところあと僅かです。年末年始に向けて体力を温存して下さい。

 先月のタイムナウでも少し触れたサウジアラビアの記者殺害事件ですが、本当に信じ難い事実が浮上してきています。トルコ大統領のマスメディア利用の仕方やアメリカのトランプ大統領の発言、そして、当事者であるサウジアラビアの酷い会見をみていて、各国の思惑で亡くなった方の死が利用されたり葬られたら許せないと思っています。この様な独裁政治にあっても、サウジアラビア国民は不満を抱いてはいないようです。何故ならば、石油という資源の恩恵で税金や教育費、医療費が無料で、世界一裕福な国とも評されていて、生活に困窮する人がいないからではないでしょうか? 世界を見渡すと、独裁政治の国が何と51ヶ国(イギリス調査)も存在します。そして、ヨーロッパにも独裁政治が未だ存在します。私は、独裁政治国が51ヶ国もある事実を今回の事件まで知りませんでした。

 それから、最近ヘイトクライム事件が多発しています。アメリカ・ペンシルベニア州のシナゴークでの銃撃事件、これは宗教的偏見で起きた事件と思われます。そして、アイルランドの航空会社(イギリス・ロンドン行き機内)で起きた白人男性による黒人女性への差別発言。明らかな人種差別です。人類発祥からおよそ500万年以上経過しても続くこのようなヘイトクライム。原因は、宗教や人種など複雑な問題も絡みますが、その糸を解くとそこには人間の「傲慢さ」や「弱さ」が垣間見れます。誰かを見下し、敵にしないと立っていられない人達で、ある意味精神が病んでいます。これは、学歴とか地位とか貧富に関係なく、個人の精神(心)の在り方に問題があると思うのです。アフリカで発祥した人類は、皆どこかで繋がっているのに悲しいですよね。せめて、他人に心身の危害を加えて欲しくないです。

 ところで、シリアの過激派組織から解放された安田さんの帰還に、予想以上に賛否の論争がされていますね。私は、「立場変われば…」だと思います。仮に私が、安田さんのご両親の立場なら、世間の批判も顧みず息子の無事解放だけを願い、一心になりふり構わず奔走します。一方で、治安の決して良くない国に海外赴任する個人の立場で言うなら迷惑です。こんな事があると「日本人は金になる」という認識を、テロリストや犯罪者に植え付ける事になります。「職場や国に迷惑をかけないように」と心掛けているのに、「日本人がターゲット」になると回避できなくなる可能性が高くなってしまいます。日本国民の立場からは、下世話な話になりますが身代金は別にしても、かなりのお金と人が動いたのは確かです。「一体、税金をいくら使ったの?」って感じです。日本は、成熟した民主国家です。日本政府が全く関与しないなんて、常識的に考えてもあり得ませんもの。そして、ここで一番伝えたいのは、日本人の為に「テロリストに資金が渡された」という事実認識をして議論すべきと言う事です。これを忘れず、日本の大手マスメディアやジャーナリストが協力して、今後どう対応、対処し真実の報道をしていくのかを、共に考えて行動していくべきだと思います。

 最後に、冬が近づいています。感染予防(うがい・手洗い・マスク着用)とこまめな水分補給を忘れずにして、風邪など引かないようにして下さいね。


11月タイムナウ岩根

Keyword:ヘイトクライムは、何故起こるのか