インフォメーション 〜time now〜

 日本は、暖かくなりましたか? ケニアは雨季が始まる頃ですが快適に過ごしています。お庭で、宮沢賢治氏の全集を読み返していると青森挽歌で自然と涙が溢れていました。

 アフリカといえば、人類発祥の地で有名です。太陽系第3惑星に住む人類は、イギリスのチャールズ・ダーウィンの進化論によると、アフリカのサルから進化したとあります。アフリカが、山脈により森林が東西に分かれ草原となり、400万年前に猿人が2本足で歩くようになったという説があります。もし、アフリカの森林が消滅しなかったら、人間は誕生していなかったかもしれないと考えると凄いですよね。二足歩行をするには、地面に真直ぐな脊髄と中殿筋がとても重要です。そして、体を真直ぐ出来ることで音の範囲が広がり言葉を話せるようになります。人間の体が進化した最後に、大きな脳ができたという事です。この様に、自然淘汰の中で進化を遂げながら生き抜いてきた人類は、これから先何を求め、何に向かうか?…遺伝子組み換えによる完璧な人間造り?…最終的には、永遠の命!? 何よりも尊とくあるべきことが、人間の傲慢により消去されているような不安に苛まれます。

 ケニアの人々の生活や気候が、私にこの様な思いを抱かせるのでしょうか? 私は、婉曲的な表現や文章が得意ではないので、これでもタイムナウの原稿にはかなり気を遣っています。それでも、万人に受けるとは思っていません。何故なら、例えば医療職者である私達の考え方や経験は、ある社会の一部でしかなく、それを他の職種や業種に持って行っても、まるで通用しない事の方が多いですし、個人的観念や価値観も十人十色ですからね。

 これは、身内や所属する組織でも同じことです。私はよく子供達から「お母さんが普通じゃないかもしれないし、普通って思っていること自体も、人からすれば普通じゃない事もある」「普通っていう言葉の定義程、曖昧なものはない」と言われます。これは、母の常識や価値観を押し付けないで欲しい、母の物差しで自分の人生やそれに関する事を推し測らないで欲しいという意なのでしょう。だから、「普通は…」を公私共に極力使わないようにしました。私は、身内にしろスタッフにしろ、意地悪や人格否定はしていません。大切だし、可愛いいし、期待しているからこそ心配で厳しくなってしまうのです。しかし、それをどう受け止めるかは相手次第だという悲しい現実や相手に求め過ぎていた自分を痛感する経験を幾度も重ねてきました。毎回反省はするのですが、なかなか精進できません。こんな時に思うのは、両陛下のように「一つの所作で全てを物語り、真意を伝える品格や人望があればなぁ」ということです。1942年の戦争で、日本軍がオランダ人を捕虜にしていたため、オランダでの反日感情は大変なものでした。しかし、両陛下が2000年にオランダを訪問された際、記念碑の前で黙祷を捧げられました。その気高さや上品さ、両陛下の思いにオランダ女王が涙ぐむほどでした。常日頃から、他人の行状やその咎について、否定的に酷評する私が、この映像を観た時に、悼むお気持ちと共に言語化出来ない日本のナショナリズム、それにグローバリズムを一元化して体現された両陛下、そしてそれを、汲み取ったオランダ国民に、私は感服致しました。皇室繋がりで、お話しさせて頂きますが、「ふりつもる み雪にてへて いろかえぬ 松ぞをしき 人もかくあれ」という昭和天皇の御製があります。人はいくつもの顔(感情)を持っているものです。豁達そうに見えて怯懦だったり、冷静そうに見えて内なる葛藤や思いが激しかったりと…。昭和天皇の御製に、正しい言動や判断が出来る様に、耐え忍ぶような忍耐力によって導かれる大きな勇気を培い、どんな重圧や重責にも心が折れない真のリーダーたる姿を示して頂きました。

 最後に写真で、ケニアの生活などを紹介して、楽しんで頂きたいと思います。長い駄文に、お付き合い下さり有難う御座いました。

平成29年3月タイムナウ 岩根