インフォメーション 〜time now〜

 年始早々物騒な事件が起きましたね。北朝鮮は、本当にひどい国だと思います。明確にはなっていませんが、政権の為に、国家ぐるみで兄弟を抹殺するなんて、何があっても許される行為ではありません。中国やロシアも、考えてくれればと思います。

 父が、今月他界しました。父の介護や看取りから、様々な事を経験して考える機会を得ましたので、皆様の今後の参考になればと思い私事ですが載せさせて頂きます。父の介護は、2年7カ月に及びました。全ての原因は、糖尿病からです。糖尿病を発症して、自己管理ができず合併症を併発し、9年前から人工血液透析を受けていて、その後肺癌が見つかり手術も受けました。糖尿病は、動脈硬化を進行させ様々な合併症を引き起こします。父の場合、腎症や高血圧は元より、眼底出血、冠動脈狭窄、ASOや認知機能低下を引き起こすほど進行していました。改めて、殆ど自覚症状のない糖尿病の恐ろしさを再認識しておいて頂きたいです。それから、要介護状態や認知機能低下に関しては、社会的しがらみ、体裁、プライドや羞恥心もあるとは思いますが隠さずに周囲に打ち明けて、理解や協力を得る事が肝要です。

 父の介護生活の始まりは骨折でした。リハビリテーション(以下リハ)の為に、実家から大分に出て来て当院で内科的治療とリハを行いました。全介助でほぼ寝たきり状態になっていた父が、杖歩行(本人は、なんと!フリーで歩行していました)まで回復しましたが、退院後は誤嚥性肺炎などを頻回に発症したので、当院やアルメイダ病院で入退院を繰り返しました。しかし、調子の良い時には温泉旅行やドライブにも出掛け、家族で楽しむことも出来ていました。今回は、ASO治療の為に、他院へ転院した翌日にその病院で心肺停止状態となり人工呼吸器を装着して当院へ戻ってきました。病気の経過や全身状態を把握していたので、いつ急変してもおかしくないという覚悟は以前からありましたので納得しています。

 人工呼吸器は、当院やアルメイダでは、「あんな事をしてまで生きたくない」という本人の意思や父の全身状態から予後も予測できましたので拒否していましたが、救命処置を受けた病院から連絡が届いた時には、既に母の同意を得て人工呼吸器が装着された状態でした。それも、今となっては有難いと思っています。「延命」にも、意味があると気付かせて貰えたからです。これは、医療職を続ける私達にとって、とても意味深いものとなりました。「生かされているのではなく、父が生きたかったのだ」と思える様になったからです。そのお蔭で父は、生前お世話になった方々や兄弟ともお別れをして、好きだった十八番の「北国の春」を聞きながら穏やかに逝くことができました。家族が、考えて悩んで、考え抜いた上で出した答えであっても、常に理性と感情が相剋します。その時の救いは、周囲の方々の温かい気遣いや思いやりです。身内にも、無責任な発言をする者もいますが、キーパーソンに思いがあって決めたことに間違いはないのです。それを、信じて看病や介護をして下さい。

 本人の人柄、頑張り、会社関係の方々や皆様のお蔭で立派な葬儀となり父も満足している事と思います。関係各位には、この場を借りて御礼申し上げます。父の介護や死は、自身の老後、終焉や死後のことまでも具現的に考える契機になりました。今後も、故人の威厳、教えや願いを守り、前を向いて、父に恥じない生き方をしたいと思います。

平成29年2月タイムナウ 岩根