インフォメーション 〜time now〜

 今年、最後のタイムナウとなりましたので、今年1年を振り返ってみる事にしましょう。まずは、人類に計り知れない恐怖と経済打撃を与えた西アフリカのエボラ出血熱です。早急なワクチンの開発が望まれます。そして、7月に迎えた「うるう秒」に「ブルームーン」、8月には戦後70年目の節目も迎えました。日本人として嬉しかったのは、ノーベル賞を2部門で受賞したことです。その他には、安保法案可決、辺野古基地移設問題などもありましたね。日本の抱える重要な問題である経済面では、アベノミクス新三本の矢、下流老人や親にパラサイトする中高年の増加、ガラスの天井指数伸び悩みにTPP加入など挙げればきりがありません。それから、半世紀振りに国産旅客機が空を舞いましたね。これだけの技術力を持つ日本が何故今頃なのか!?やはり、日本が敗戦国だったからでしょうか?世界情勢では、「中国の海洋進出」「イスラム過激派によるテロ行為」、去年に続く「ロシアのウクライナ(クリミア半島)侵攻」が気になります。これらは世界中で大きな話題になりましたが、今後も注視していかなくてはならないと思いますし、これから日本が国際社会の一員としてその役割と責任をどう果たしていくのかを、国民は考えなければならない時期だとも思います。

 さて、そろそろ当法人や関連施設の振り返りもしなくてはなりません。昨年の小児リハビリテーション開設に続き、今年6月に児童発達支援事業所を開設しました。そして、タイムナウでもお伝えしてきた看護部世代交代のためにアクションを起こしました。次期役職者を総選挙で選出したのです。立候補者が5名いましたが、公平性を保つために全看護師を対象としました(自薦他薦不問)。きちんと全員が納得出来る選挙にする為に、様々な工夫と努力をしました。しかし、この様な状況に置かれると人間は本性が露呈するもので、色んな人間模様を垣間見る事ができ、今後の参考になりました。まぁ、組織には2:6:2のルールが存在しますので、看護師全員の賛同は困難でしたが、選挙は公平で厳正だったので、公の場での揶揄は控えざるを得ないでしょう。立候補者5名は、一般票・旧役職者票ともに票を獲得し見事当選を果たしました(本当に、安堵しました)。結果としては、価値観や次元が違っても各々が自分の職場に興味を持ち参加したことは良かったと思います。投票率も100%に近かったです。予想外の展開もありましたが、これこそ民主主義ですから納得しています。実は、部門ごとの投票率などの集計も出来ますが今はしません。何故なら、旧役職者同士でさえ誰に何票入れたか知らないからです。それと、この選挙で旧役職者の素晴らしさを再認識しました。事前に投票について話し合ってなどいませんが、昇給査定や看護師ポイント制等の客観的評価結果を活用し、人事の成否が組織運営の要であることを認識、情報収集や分析を怠ることなく実行して全員が妥協せず、過情を優先する事もなく、気概と共に情熱や誠実さを評価して信念と矜持を持って投票していたのです(投票した基準を選挙後に雑談の中で話しました)。これからは、一般票で票の集まった人・集まらなかった人、旧役職者票の集まった人・集まらなかった人、それぞれが、一票の重みを自覚し自己分析に役立て自己研鑽に励み、それを患者さんやスタッフに還元してくれたなら最高です。新役職者には、「多様な価値観や考え方を持つ人々を統率し、目標に向かい前進することは、大きな困難を伴います。しかし、不惜身命の覚悟で立ち上がり不屈の意志を持ち正しい判断力」で任務を一致団結し遂行して欲しいと願っています。今後、公人として星霜を経ることで、社会通念に精通し知識と教養、洞察力を身につけ、個人を優先せず大局的な判断ができるリーダーに育った人は、人としても成長している事でしょう。その時こそ、真価が問われます。

 看護部の離職率は低いものの結婚や出産ラッシュが予想されます。看護基準は充分満たしているのに、72時間ルールのお蔭で妊娠や産休の期間を看護師達に調整してもらわなければ病院運営が成り立ちません。専門職者としての責任と誇りを自覚し、それを理解して配慮できる看護師が当院でも少ない現実があります。質の向上も踏まえ、それらに新役職者がどう対応していくのか楽しみです。少なくとも、今よりは良い看護体制・職場を築いてくれることでしょう。

 今後は、新・旧役職者の人柄や考え方を知る良い機会になりますし、顔の見える対話は大切だと思いますから、院長先生はお忙しいのですが、看護部会に月に1度は出席して頂きたいと考えています(是非、実現したいです!!)。

平成27年 12月タイムナウ 岩根美紀