インフォメーション 〜time now〜

 私が、本格的にリハビリテーションに携わったのは今から10年程前になります。社会背景や個々の価値観の変化などから影響を受け、リハビリテーションをとりまく状況やニーズも多様化しています。又、医療は日々進歩していますのでついていくのに必死です。最近私が思うのは、『ステレオタイプの人間にならないように努力する』ことです。それは、実際に自分の目で見て、耳で聞いて、必要な知識も得て判断するということです。例えば、NEURO-15という治療法と出会った時に(その治療方法や効果は省略)、『今までの治療法やそれを信じ疑わなかった私は間違いだったのか!?』と自問自答しました。それは、脳血管疾患等により、利き手が麻痺し補助手程度の回復しかできないと判断した場合、ADLの向上を図るために利き手交換を早期より行っていたからです。しかし、その行為は、麻痺側上肢を日常生活で使用しなくなり、麻痺側の更なる廃用進行に繋がったのではないかという疑問です。これこそが現場のジレンマだとも思います。障害受容を促し、ADLの早期回復と社会復帰のために利き手交換をするため健側に重点が偏ってしまうからです。麻痺側の使用は、痛みを伴う事も多く本人が拒否することもあります。まだ、この答えはでていません。現段階でいえるのは、Case-by-caseであることは、間違いないであろうということだけです。今後は、利き手交換だけでなく積極的に日常生活で麻痺側を使用する事も視野に入れます。この話に限らず、これからは、固定観念や先入観をもたずに見識を高めグローバルな判断を心がけていきます。

 私は、実践で体得した「ケアリング」の体系確立の為、模索検討を繰り返しています。ただ、「ケアリング」については、社会学者や理論家の文献等はあるのですが、経験者が論じているものは、皆無に等しい状況です。又、実践的「ケアリング」になると精神科看護や終末期看護に限局されたものが多く、現在「ケアリング」の概念も存在しますが漠然すぎると思うからです。ですから、造語ではありますが「アシストケアリング」という言葉を考案しました。しかし、私は理論家でもなく著名人でもありません。普通に対象者(患者)に携わる看護師です。でも、机上の空論ではないからこそ実践の中で役立つ事もあるはずです。正しいと思ったことを挫けずに貫き、ダイナミックにいこうと思います。

右の写真は、アフリカ(ケニア:ナクル湖)の写真です。フラミンゴで有名な湖です。広大ですよね。この写真撮影の時、野生の猿に襲われそうになり、びっくりしましたが、素のアフリカを触れられ、体験できて良かったです。

平成23年9月15日

P.S. time nowで、私達の考えや現況をリアルにお伝えしていくことが、責務であると考えていますので続けていく所存です。10月からスタッフ達が、様々な内容を月に2度掲載します。これからも宜しくお願いします。
平成23年 9月 岩根 美紀