インフォメーション 〜time now〜

 9月の中旬には、北海道の黒岳で紅葉が確認され、いよいよ秋本番ですね。そして、皆さん!!9月は、私の誕生月でした。歳をとるのは何となく悲しい気持ちにもなるけれど、趣向を凝らした様々なイベントを、院内外の多くの人達に4日間も連続して催して頂き、とても楽しかったです。私の長所・短所を容認した上で、時にはきつい事も言い合いますが、何十年にも渡り悪い時も良い時も、支え合い助け合える友が居てくれる、仲間が居てくれる…年齢を重ねるにつれ失っていく体力や能力、そして若さに美貌(!?)…それでも、この歳で公私共に『豊かな人生だなぁ』と思えるので周りの人達へ感謝です。

 今年の台風も甚大な被害を日本にもたらしましたね。その中で浮き彫りとなった課題の一つが、鬼怒川の堤防決壊で被害を受けた茨木の県と市の連携です。災害後、行方不明者15名となっていた方達が、実は無事に避難されていることを県は把握していたのに、市は全く把握していなかったのです。混乱の中とはいえ連携体制不足やずさんさが可視化された現象です。しかも、人命という重く尊い問題にも拘わらず、何故この様な現象が起こったのでしょうか?日頃から連携できていない、危機管理体制や災害時のシミュレーションが整っていなかったことも一因ではないでしょうか?これを、わが身に置き換えると医療と保健・福祉の連携がまさにこれに当てはまります。気にかけて連携を図っているつもりでも『立場が違えば視点も変わる』で本当に難しい問題です。『対象者を支える』という共通した目標を持っている筈なのに、何故か上手くいかないんですよね。医療の知識を持たない地域スタッフも多いですから、医療者がコーディネーター的役割を担い距離をあけずに、相手を理解して認めた上で医療の質担保と継続を地域に繋がなければならないと考えています。

 安保法案も可決されましたね。過去に最高裁判所が違憲立法審査権の行使に於いて統治行為論の要素を取り入れた砂川判決を持ち出して集団的自衛権の合意に持っていこうとした自民党には驚きましたが、揉めに揉めても結局は決まるのです。私は、俯瞰的に言わせて頂くならば、今の世界情勢を鑑みた時の日本はあまりにも無防備だと思っています。だからと言って『戦争賛成』ではありません。ただ、平和主義を守りながら自国や自分たちの生活、命を守る手段は備えておくべきだと考えているのです。本当に世界を見渡して見てください。『絶対的な安全』なんて保障されてなんていないですよ。現に、理由がどうであれ、日本人がテロや身代金目的で何人殺害され、誘拐されたか知っていますか?安保法案が可決されたって私達日本人は、あの戦争で学び教育自体も戦前とは変わっています。現に「国への忠誠心を植え込む教育・お国の為に死ぬ教育」なんてもう受けていないでしょう?だから、日本国民ひとり一人や『平和憲法と立憲主義を守り、対話と協調に基づく外交・安全保障を求める』ことなどを新たな課題に加え再結成されたSEALDsの学生さん達にも是非現況を知って頂きたいのです。世界で何が起きているのか、海外にいる日本人の立場や気持ち…そして、世界に日本がどう思われるのか、思われているのかという事を…これを機に日本や世界の政治に関心を持ち、自分達で政治家を選び投票をして各々の理想の国づくりに反映していって頂きたいと思います。

 病院も、実はこれと同じで、職員各々が医療情勢などの見識を広め考えて行動出来る様になると、全てが良い方向に向かいます。それには、役割分担して自信と責任・居場所を持たせる事がとても重要です。

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平成27年 9月タイムナウ 岩根