研修会・講演会案内

第10回大分県高次脳機能障害リハビリテーション講習会 報告

平成22年1月10日(日)、大分市のアイネス2階大会議室において、「高次脳機能障害者の就労・就学支援」をテーマに第10回大分県高次脳機能障害リハビリテーション講習会を開催しました。175名の方々にご参加いただきました(内訳は表1参照)。

 今回は、「高次脳機能障害者の就学に関して、配慮することと課題」と題して千葉県千葉リハビリテーションセンター地域連携部部長の太田令子先生、「高次脳機能障害者就労の実例と支援方法-ジョブコーチ支援を中心に-」と題して障害者職業総合センター主任研究員の田谷勝夫先生に、それぞれご講演いただきました。

 太田先生は、近年関心が深まっている教育分野での高次脳機能障害者への支援について、分かりやすくお話下さいました。高次脳機能障害を抱える児童・生徒に対しては配慮すべき点が多くありますが、子どもは成長の可能性を秘めており、一人ひとりの個性や発達段階に応じた支援が必要となります。また、学校・社会全体に対しての啓発活動、家族に対するサポート等が重要であることを感じました。

 田谷先生は、職場での実地訓練を行う支援者である「ジョブコーチ」を中心に、高次脳機能障害者の就労支援について、多くの調査研究に基づいてお話下さいました。「仕事はやってみないと分からないものだ」とよく言われますが、高次脳機能障害者の就労についても、実際に仕事を始めて明らかになる課題が多いとのことで、ジョブコーチによる実地支援や、本人だけではなく事業所・家族を含めた包括的な支援の有効性を学びました。

質疑応答では、就学・就労について支援者・当事者の方々から出された熱心な質問に対し、両先生に分かりやすくお答えいただきました。


表1 参加者区分
  人数
医療・福祉関係者 151名
家族会・支援団体 17名
学生 1名
報道 1名
その他 5名
175名

講習会の様子

講師 太田令子先生

講師 田谷勝夫先生